シャープが鴻海精密工業の傘下に入ることを決めた。液晶で一世を風靡したのがウソのようだが、変調を来した会社はシャープに限らない。ソニーしかり、東芝しかり。物作りが日本の強みではあろうが、永遠に続くわけではあるまい。
「勃興しつつある」と言われて久しい東南アジアの国々の攻勢により、人件費の高い日本の製造業は追い詰められている。鴻海によるシャープ救済はその象徴であり、日本の製造業の賞味期限が切れつつあることを示している。
いずれ、コモディティ化した日本の製造業は新興国に取って代わられるだろう。また、現在は優位性を保っている自動車も、自動運転が実現すればIT企業の下請けになるという話もある。産業構造の高度化にあらがうのは難しい。
一国における産業の比重が第1次産業→第2次産業→第3次産業と移動することを産業構造の高度化というが、この観点でマイナス金利を考えてみる。
昨年の本誌9月18日号で日銀が当座預金に0.1%の金利をつけているのを止めれば、銀行は融資姿勢を改めるだろう、むしろマイナス金利として融資を促すべきだと書いた。だが、これは楽観的すぎたようだ。
「貸出先がない」は本当か
まず、日銀の不徹底。0.1%の金利がつくのは銀行が必ず預けなくてはならない所要準備高(もともと金利ゼロ)を超えた部分で、約210兆円ある。マイナス0.1%の金利が適用されるのは2月16日以降にこの残高を上回った部分だけなのだ。
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