「倒産の減少に底打ち感が出ている。今年は増加に転じるのではないか」 こう見通すのは、帝国データバンク情報部の阿部成伸氏だ。同社調べの2015年全国倒産件数は8517件。6年連続の減少で、9000件割れは10年ぶりだ(図1)。
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しかし、直近の15年12月は前年同月比7%増。15年11月も3%増。2カ月連続の増加は2年5カ月ぶりのこととなる。東京都に限ってみると15年10~12月に3カ月連続増。こちらは3年9カ月ぶり。まさに潮目が変わりつつある。
背景にあるのは倒産業種の変化。これまで長らく建設業がトップだったが、15年は3位へ低下した。1位になったのは小売業。2位はサービス業だった。小売業やサービス業で、飲食やITなど、少ない資本で起業できるものの、軌道に乗せられず倒産するケースが増えている。
今後、さらなる不安要素がある。政府が信用保証制度の見直しに動いていることだ。信用保証制度とは、中小企業が金融機関から融資を受けるとき、信用保証協会に一定割合(一般保証なら8割、セーフティネット保証だと10割)の保証をしてもらい、融資を受けやすくする制度。この保証が縮小すると、中小企業が融資を受けにくくなるケースが多発しかねない。
見直しの発端は、15年4月にOECD(経済協力開発機構)が出した『対日審査報告書2015年版』。日本の「中小企業は相当な政府支援を受けている」「寛容な政府保証が再編を遅らせ、生き残れない会社、いわゆるゾンビ企業を温存している」「政府支援は縮小されるべきで、政府保証は限られた期間若い会社に焦点を当てて行われるべきだ」と指摘した。
15年5月、参議院は「多額の財政支援が継続している状況に鑑み、国民負担を軽減するとの観点から」見直しを行うと決議。6月に閣議決定した日本再興戦略でも信用保証制度のあり方について検討すると明記した。
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