有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #グローバルアイ

デジタルグローバル化が変える製造業の比較優位 商品やマネーに加え、情報が国境を越える時代

3分で読める 有料会員限定

グローバル化の時代が新たな局面に入りつつある。商品やマネーに加え、情報が軽々と国境を越えていく。こうした潮流は製造現場にどんな変化をもたらすのだろうか。先進国と新興国のどちらの製造業に有利に働くのだろうか。

過去数十年にわたり、新興国が経済成長を果たすには、先進国に比べて低コストの製造業の活用が有効な手段だった。1985年に世界のGDP(国内総生産)の13.8%(約2兆ドル)だった物品の国際貿易は、2007年には同26.6%(約16兆ドル)にまで伸長。特に新興国が先進国からの受託製造により貿易のシェアを高め、14年には世界中の物品の貿易で過半を占めるに至った。

しかし、ここに来て物品の貿易の成長は、先進国の需要減退や商品相場の急落が影響し頭打ちとなっている。停滞の背景には別の構造的な要因もある。多くの企業がサプライチェーンを簡素化し、製造の自動化を進めている。その結果、これまでと違い、製造拠点が労働コストだけで決まらなくなっているのだ。

今や製造拠点を決めるのは主に人材や社会インフラ、エネルギー費用などだ。今後3Dプリンタなどの技術が進化すれば、製造拠点の決定にさらなる影響を与えそうだ。

こうした潮流から、物品の国際貿易がピークアウトするとしたら、アジアや中南米、アフリカの新興国が次の「世界の工場」として発展するのは困難、という見方も生じる。

しかし、その考えは早計だ。目下、物品の貿易自体は行き詰まっているが、デジタル情報のやり取りは加速度的に広がっているからだ。 

マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)の研究によれば、物品やサービス、資金、人、データなどが国境を越える動きは、直近の10年間で世界のGDPを約10%押し上げ、14年だけでも約7兆8000億ドルを上乗せした。そのうちデータは推定2兆8000億ドルを占め、物品やサービスより大きな影響を及ぼしている。国際的な流通網が何世紀もかかって発展してきた一方、データの流れがわずか十数年前に始まったことを考えると、驚くべきことだ。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数