米国はじめ先進国の民間投資が弱含みしている。IMF(国際通貨基金)調べでは、2014年の民間投資はリーマンショック前のトレンドを2割以上下回った。危機後の回復は勢いを欠いたままだ。
民間投資不足は、個人の住宅から企業の機械設備、工場などの建築物まで広範囲にわたる。昨今では原油価格の下落を受け、エネルギー業界の民間投資が急減している。
興味深いのは、米国では民間投資不足が、利益や内部留保の回復と同時に起こっていることだ。企業は利益をいくら稼ぎ、内部留保をいくら貯めても、将来的な需要や生産の伸びが見通せないと投資に動かない。IMFによると、この投資の「アクセラレーター」理論で、リーマンショック後の先進国の民間投資の弱さはおおかた説明がつくという。
これまでであれば、総需要が低迷しても、積極的な公共投資が民間企業投資を後押ししてきた。しかし今や公共投資もまたリーマンショック前の水準を下回るほどに縮小しており、民間投資を逆に悪化させている。今や投資が堅調なのは、デジタルプラットフォーム、SNS、エネルギーなど一部の業界にすぎない。
民間投資不足にはほかの要因もある。先日、米投資顧問会社ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、主要な欧州企業のCEOに宛てた手紙の中で、多くのグローバル企業が配当や自社株買いを優先し、投資を犠牲にしていることについて懸念を示したという。
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