安倍政権は経済成長に向け企業に投資を促している。ただ日本企業はいくら投資しても、成果につながらないという問題を抱える。たとえば日本は2011年、国内総生産(GDP)1ドル上昇のため、平均4.8ドルの資本投資(工場や設備、研究開発など)を行った。これは米国の同3.1ドルなどと比べ高額で、その分非効率さを表している。
日本企業の非効率さが際立つのが、ソフトウエアや教育など知識ベースの資本(=KBC)への投資だ。日本企業はKBCにGDP比8.4%を投資しており、これはOECD(経済協力開発機構)加盟21カ国中5位。投資額では多くの国を上回っているが、肝心の「経済競争力」は平均値を大きく下回っている。
経済競争力は人的資源や技術力をどれだけ収益につなげたかの指標である。その差が、たとえば米アップルと経営不振が長引くソニーなどとの違いを生んだ。
KBCが極めて重要なのは、経済成長の一因である「全要素生産性」(TFP)上昇につながるからだ。TFPとは企業の生産性から人的な労働力や設備、研究開発といった資本を除いたもの。いわば技術進化といった意味に近い。OECD加盟13カ国の平均では、1996年から07年まで労働者1人当たりGDP上昇率のうち、約4割についてTFPの上昇が寄与した。しかし日本ではその比率は約2割にとどまった。
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