予期しないところで突如合意した、韓国との従軍慰安婦問題。2015年末、日韓間の最大の懸案が動きだしたが、「最終的かつ不可逆的な解決」となるかは、なお予断を許さない。
今回の合意では、安倍晋三首相が元慰安婦に対し「心からお詫びと反省の気持ち」を表明すること、彼女たちを支援するための財団を韓国が設立し、それに日本が10億円を拠出することが決まった。
ただ合意直後から、元慰安婦や挺身隊問題対策協議会(挺対協)など韓国の支援団体は「日本が法的責任を認めていない」と反発し、合意の無効を叫んでいる。韓国政府が事前に彼らと意見交換や協議を行った形跡は見られず、当事者や国民を置き去りにした合意ともいえるだけに、韓国側がどこまで合意内容を履行できるか、不透明だ。
慰安婦像の撤去がカギ
カギとなるのは、ソウルの日本大使館前にある、慰安婦像が撤去されるか否か。この像は11年に挺対協が無許可で設置したもので、現在では慰安婦問題、ひいては反日運動のシンボルにもなっている。日本政府は撤去を強く要請してきたが、韓国政府は「民間が設置したもの」として拒否し続け、日韓関係に刺さったトゲの一つになっていた。
今回の合意に際して、日韓双方は、「適切な形で(慰安婦像は)移転されると認識している」(岸田文雄外相)、「可能な対応策を関連団体と協議し、適切に解決されるよう努力する」(尹炳世(ユンビョンセ)外相)と言及。また、「韓国側が財団を作ることが合意履行の最初の一歩で、撤去は韓国政府が適切に努力していく」(外務省関係者)、との認識が日韓政府で共有されているもようだ。
この記事は有料会員限定です
残り 663文字
