量的緩和に量的質的緩和、マイナス金利政策と、リーマンショック以降の先進国の中央銀行は非伝統的金融政策に踏み込んできた。しかし、かつてない大規模な金融緩和政策を展開しているにもかかわらず、その効果は薄れてきているようだ。
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米国では景気拡大が7年に及んだが(図表1)、物価の基調は弱い。FRB(米国連邦準備制度理事会)が指標としているPCE(個人消費支出)デフレーターのコア指数(食品とエネルギーを除く)はなかなか2%に届かない(図表2)。
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日本は、民間最終消費支出デフレーターの動きを見ると、足元で再びデフレに舞い戻りつつあるようだ(図表2)。
金融緩和の効果が薄いのはなぜか、その原因についてはさまざまな指摘があるが、そのうちの一つに「中立金利の低下」がある。2013年にサマーズ元米財務長官が「長期停滞論」として唱えてからさまざまなリポートが出され、最近ではサンフランシスコ連邦準備銀行のウィリアムズ総裁が論じて注目された。
中立金利は景気を熱しも冷ましもしない中立的な実質利子率のこと。実質利子率は名目金利から予想物価上昇率を差し引いたものとなる。中立金利の下では総需要と総供給が均衡している。中長期的には潜在成長率にほぼ一致すると考えられる。
金融緩和は実際の実質利子率をこの中立金利よりも引き下げることで需要を喚起し、逆に引き締めは実質利子率を中立金利よりも引き上げることで需要を抑制する。
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