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業績堅調な割安銘柄を物色 アベノミクス再起動に期待

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  • 居林 通 UBS証券 ウェルス・マネジメント本部 ジャパン エクイティ リサーチ ヘッド

アベノミクスの3本の矢はすでに2013年の時点で外国人投資家にも広く知られ、日本経済がデフレスパイラルから脱却する処方箋として認識された。すなわち、大型の政府補正予算で景気を下支えして、日本銀行が大幅な量的緩和をすることでインフレ期待を作り出し、ひいては円安にして企業収益を押し上げる。そして労働者の賃金が上がり、消費拡大につながるとの考え方だった。

加えて、日本の構造問題と指摘される硬直的な雇用慣行の変更や、年金制度改革、医療規制緩和などについての大きな改革(第3の矢)がなされれば、日本経済の持続的な成長も見えてくるという希望もあった。

だが惜しむらくは、13年から始まったアベノミクス3本の矢は別々に放たれてしまった。もともとの3本の矢の比喩のように、1本ずつでは折れてしまう矢を3本まとめることで強いものにすることが必要だった。

参議院選挙で勝利し政治的安定を確保した7月27日、安倍晋三首相は経済対策を「事業規模で28兆円を上回る」ものにしたいという方針を示した。予想されていた10兆円程度の事業規模を上回ることによって、アベノミクスの再起動を試みている。

7月29日に日銀はETF(上場投資信託)の買い入れ枠を年間3.3兆円から6兆円に増加させた。一部にあったヘリコプターマネー政策待望論には沿わなかったが、マイナス金利の副作用でドルの調達コストが上昇していることに対応してドルの貸し出しも240億ドルに倍増させるなど、一定の評価はできる政策が続いている。

それにもかかわらず、日本株が年初から15%程度下落し、世界の主要市場の中で下から3番目に位置しているのは、ひとえに円高に移行してしまったからだ。アベノミクスの成果は円安であり、円高になったら意味がないと外国人投資家は見ているようだ。

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