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ライフ #生涯現役の人生学

スランプからの反転 少年時代のクソ度胸

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自分から設定するわけではないが、時折スランプが襲ってくる。頭の働きが鈍くなり創作活動が中止する。こんなときはいくら焦ってもダメだ。低気圧が頭をスッポリ覆っているようなものなので、ただその経過を待つ以外ない。

山田方谷(ほうこく)という幕末の経世家が、「事がこじれたときは、いったん事の外に出て事の状況を鳥瞰することが大切だ」という意味のことを言った。彼は農民出身の学者だが、その学才に注目した備中松山(岡山県高梁市)藩主板倉氏に注目され、家老にまでのし上がった。藩主板倉勝静は老中(大臣)として、中央政治(幕政)の責任者になっていたから、不在藩主となり、留守中の藩政は一切方谷に任された。

方谷は藩の財政改革を行ったが、このとき「関係者はとかく財の内から抜け出ることができず、かえって問題を複雑にしている」と言って、財からの脱出を進めた。財の前提である計画の当否を見つめ直してみよう、ということだ。その再検討の物差しを、彼は「藩民からの信頼の有無」とした。

このとき、藩民からいちばん信頼を失っていたのは、藩札(藩内だけで通用する通貨)だった。彼はこれを全部集め、高梁川畔で公開焼却処分を行った。これが受けて彼は藩民の信用を得、その後の改革に多大な協力を得た。

この事例から得る教訓は、手詰まりになっている課題からいったん視線をそらし、別の問題に目を向けることが一つ。そして別の問題のドラスティックな解決策の発見によって、懸案の課題も解決する、ということだ。

しかし私のスランプは方谷が直面した天下国家の課題ではない。私が取り込めるのは、「スランプから目をそらして別のことに目を向ける」という程度のことだ。

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