今年の日本株への投資は難しい状況が続いている。年初来の円高が進行する中において企業業績を牽引する明確なテーマが不在で、内外の政治的不安要素も株価の下押し要因となっている。
しかし、そのような市場環境においても、自社株買いを発表した企業の株価は底堅く推移しており、日経平均株価を上回るパフォーマンスを見せている。
なぜ、自社株買いを発表した企業の株価は底堅いのか。2015年度までは日本企業の業績は好調で、余剰資金の株主への還元増加が株価上昇のさらなる牽引役として投資家に注目されてきた。
一方で今年は、日本銀行でマイナス金利政策が導入されたことで、投資家は債券の代替として、自社株買いを発表した企業に注目している。
2月に日銀がマイナス金利を導入したことで、GDP(国内総生産)で見た世界の4分の1の国債がマイナス金利になった。さらに、世界経済の成長を牽引するような明確な国や地域も存在せず、世界的な低成長の時代に突入している。
投資家にしてみれば、償還を迎えても金利がマイナスの債券には投資しにくい。そのため、自社株買いを発表している株主還元に積極的な企業群、つまり総還元利回り(自社株買い額+配当額を株価で除したもの)の高い企業群は「債券の代替」として投資需要が高まっている。今後、国債の償還が増えるに従ってこのトレンドは加速するだろう。
自社株買い企業は2割増
企業側には自社株買いに積極的になる理由が三つある。一つ目は政府の施策だ。政府は15年6月にコーポレートガバナンス・コードを策定し、資本政策方針の開示、政策保有株式(持ち合い株式)の削減を企業に求めた。
日本企業は過去からの慣行で、銀行を中心に持ち合い株が多い。マイナス金利導入で銀行の収益が苦しいことも重なり、持ち合い解消と、その結果としての自社株買いが加速するだろう。
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