投資家がリスク回避姿勢からやや変化してきたようだ。
中国人民元切り下げを発端とした新興国経済全般に対する不安、弱い雇用統計から来る米国、ひいては世界経済に対する不安が、9月17日にFOMC(米国連邦公開市場委員会)で利上げが断念された後に最高潮に達し、世界株式市場の時価総額は9月末近くに65兆ドルを割り込んだ。約2年ぶりである。しかし、ここから急反発。10月15日には70兆ドルを回復し、この間の増加率は8.9%に達した。
目立ったのは新興国で、BRICs、アジア、中南米などで軒並み上昇率が10%を超えた。「新興国の逆襲」である。ネガティブな材料はおおかた織り込まれたことが想像される動きである。
日経平均株価は9月29日に約8カ月半ぶりに1万7000円の大台を割り込んで底入れし、その後は反発局面にあるが、10月15日までの上昇率は6.9%、同期間のニューヨークダウの上昇率も6・8%とほぼ変わらず、日米とも勢いがいま一つ感じられない。
夏場に修正を迫られるまで、今年の世界経済は先進国が主導し、緩やかながら着実に成長する、というシナリオが定着していた。先進国株はこのシナリオを背景に、底堅く推移していたことがかえってあだになり、上値が抑えられているといったところだ。
とはいえ、とりわけ日本企業の業績は中国経済への懸念を抱えながらも堅調を維持しており、2015年度の主要企業の経常利益は前年比2ケタ増が予想されている。
この理由として、3年前までの円高局面で企業が海外展開を加速し、結果として収益源の分散が進み、世界経済の成長を享受する形ができ上がってきたことがあると考えられる。これに円安効果が加わった。12年から15年直近まで年率で見ると約15%のペースで円安ドル高が進行した。ただし、これからは、これまでのようなハイペースの円安進行は望めないだろう。15年の年平均ドル円相場は1ドル=120円前後になると思われるが、仮にここから130円まで円安が進んだとしても、変化率は8%強に縮小する。
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