1月、日本銀行はマイナス金利を導入し、相場が大きく揺れ動いた。
一時は円安・株高に動いたが、その後に世界的な景気減速懸念が広がると、1ドル=110円まで円高・ドル安が進行し、日経平均株価は2月12日終値で1万5000円を割る事態に陥った。
マイナス金利が市場にどんな影響を与えるか、明確な評価は定まっていない。しかし銀行株や保険株はネガティブなイメージが先行し株価は下落した。円が急騰したことは日本株全体の下落傾向を強めたが、一方で為替の影響を比較的受けにくい内需株などは下落幅が限定的となった。
このように相場が下落する局面においても、影響が比較的小さい企業は存在する。その共通項の一つに、株主還元に力を入れている企業だということが挙げられる。
たとえばこの1カ月のケースでは、巨額の自社株買いを発表したNTTドコモやソフトバンクグループが挙げられる。これによって2社の今月の株価は大きく上がった。
株価下落時に自社株買いを発表すると「当社の株式は割安だ」というメッセージを市場に送れる。円高で企業業績の先行きに不安が募る中で増配を発表すると、「当社の業績は堅調が続く」というサインを投資家に提示できる。こうしたシグナルを投資家は好感し、下落相場に反して株高になるケースが見受けられた(シグナリング効果)。
自社株買いが急増
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ここで全上場企業の株主還元の状況を1995年度から見てみよう(図1)。配当金総額は2002年度ぐらいまでほとんど変動がなく安定配当が各社の配当方針の基本となっていた。
しかしその後、企業は業績に応じて配当額を変動させるようになる。
各社の配当性向(赤字企業除く平均)は03~05年度は20%程度で推移したが、07年度にかけて27%に上昇した。08年度はリーマンショックの影響で最終利益が大幅に減ったため、配当性向はハネ上がった。配当金総額は09年度を底に上昇に転じ、13年度に8.2兆円と過去最大となり、今後さらに増加が続く見通しだ。自社株買いについては01年度の商法改正により金庫株が認められてから、本格的に浸透していった。リーマンショックで一度は大きく落ち込んだが、アベノミクス以降の企業業績回復に合わせて目下の自社株買い額は大きく増加している。15年度は過去最高となる5.2兆円になると見込まれる。
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