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市場は実体経済の行方を吟味 相場動向は政策対応次第 急落後の株価が探る下値の根拠

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  • 藤戸 則弘 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 投資情報部長

市場の注目を集めたFRB(米国連邦準備制度理事会)による9月利上げは見送られた。しかし、FRBの最大の命題たる雇用では、失業率が5.1%と「完全雇用」に達し、産業別求人件数は7月に575.3万人とITバブル期を凌駕。また、4~6月期の米国実質GDP(国内総生産)成長率は前期比年率プラス3.9%で、ほぼ全項目が上方修正されていた。

物価の動きが鈍いという事実はあるが、イエレン議長が「金融政策のノーマル化」を標榜して利上げを断行する選択肢もあったはず。なぜFRBは利上げを回避したのか。

その最大の要因は、中国をはじめとした新興国・資源国の予想を上回る成長鈍化、そして市場の混乱である。

中国のマークイット製造業PMI(購買担当者景況指数・9月)は47.0となり、実に2009年3月以来の水準に沈んだ。09年3月は、リーマンショックによって、ダウ工業株30種平均が6469ドル、日経平均も7021円の安値を示現するなど、世界同時株安が進行していた暗い時代である。それと同程度の、予想外の鈍化なのだ。

上海総合指数は、中国政府・当局の懸命な買い支え策もあって何とか破局を免れている。しかし、習近平体制は「新常態」(ニューノーマル)を掲げており、積極的な景気刺激策は回避するもようだ。実体経済の回復がなければ、小康状態の株価が再び荒れ始めるリスクは高い。

中国の成長減速はコモディティ価格の急落に直結し、広汎な資源・新興国で通貨安・株安が猖獗(しょう けつ)を極めている。特にブラジルでは、通貨レアルが02年安値1ドル=4レアルを簡単にブレークし、「海図なき航海」に旅立っている。

この困難な状況は、そのまま日本の外需低迷、成長率鈍化に直結する。今や中国を含めたアジア向け輸出は、日本の全輸出の過半を占める。期待された設備投資も、外需の急減で腰を折られた。8月の工作機械受注では、内需が前年比プラス13.6%だったが、外需はマイナス31.1%に落ち込んだ。特に中国からの受注は5割減で、今回の懸念がマクロ統計に反映され始めている。

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