世界の市場が注視する米FOMCが、すでに終わっているはずだ。最初に“出口”に差しかかる米国に注目が集まるのは当然だが、ほかの国々の金融政策もその意味が問われている。黒田バズーカの日本もしかり。
金融政策を問う際に重要なことは、マネタリーベースとマネーストックを明確に区別することだ。マネタリーベースとは、日銀券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金残高で、日銀が市中に供給している資金量である。一方のマネーストックは、中央政府と金融機関を除き、世の中に出回っている資金量でM1、M2、M3が代表的な指標だ。
この数年、日銀による大幅緩和でマネタリーベースは急拡大した。現在も年間80兆円の国債を買い付け、市場に大量の資金を供給している。問題は、その先である。
日銀としては、市場への資金供給→市中に出回る資金の拡大→経済の活性化→2%のインフレ目標の達成、という流れを想定していたのであろうが、現実に起きたことは、銀行が国債の売却代金を日銀に預金する、だった。15年8月の日銀の当座預金残高は227兆円と黒田緩和以前の47兆円と比べると180兆円の伸びを見せている(382%増)。一方、代表的マネーストック指標のM3は、88兆円しか伸びていない(8%増)。
日銀は当座預金に0.1%の金利をつけてくれるので、低成長下にわざわざリスクを取って貸し出しを増やすよりも日銀に預けたほうが安心、と銀行は考えている。
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