日本銀行が3月25日、ホームページ上に掲載した「5分で読めるマイナス金利」が話題となっている。
日銀はデフレ脱却へ向けマイナス金利政策(1月29日決定、2月16日導入)を採用。言葉としてインパクトもあり、反響は大きかったが、評判はすこぶる悪い。
2月の景気ウォッチャー調査(3月8日公表)では、景気判断の悪化とともに、「株安、円高傾向、マイナス金利と経済の不安材料が多く消費者は節約志向に動いていく」(スーパー)、「マイナス金利が消費者マインドにも暗い影を落とし容易には払拭できない」(建設業)など、マイナス金利に否定的なコメントが多かった。
黒田東彦総裁が国会に呼ばれることも増えた。2015年には年間で26日だったものが、今年は1〜3月ですでに30日に達している。
そこで、Q&A形式の「5分で読める」で、一般の人々に理解を求めようとしたようだ。
だが、市場関係者からは、むしろ不信感を強めた、という声が多い。「読める」だけで「わかる」わけではないのかとの突っ込みはともかく、内容についてもご都合主義的でずさんすぎるのだ。
「マイナス金利になると、私が銀行に預金しているお金も減ってしまうの?」という設問に対し、「銀行が日銀に預けているお金の一部をマイナスにするだけ。個人の預金は別の話です」に続き、「ヨーロッパでは日銀よりも大きなマイナス金利にしていますが、個人預金の金利はマイナスにはなっていません」と回答している。しかし欧州では、手数料の形で預金者に実質的にコストを転嫁する動きが広がっている。そうした事実には、ほおかぶりしている。
「マイナスにはならなくても少しは下がるでしょう?」「それで消費が悪くなったりしない?」という設問には「普通預金金利は0.02%だったのが0.001%になりました」「100万円預けて1年間の利息が200円だったのが10円になったということです。消費を悪くするほどの規模ではありませんよね」という子どもだましの回答だ。預金額がもっと多ければ、当然、影響は大きくなるし、金利の低下は金融商品全般に及ぶ。
この記事は有料会員限定です
残り 711文字
