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求められる政策対応とは 日本郵政は市場の重しに?

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  • 重見 吉徳 Pモルガン・アセット・マネジメント チーフ・グローバル・マーケット・ストラテジスト

日本の株式市場の今後の注目材料の一つは、日本郵政グループの上場であろう。日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社を合わせた資金調達金額は1兆~2兆円とされている。東京証券取引所の時価総額は6月末時点で607兆円。この市場が新たに最大2兆円の供給を受け入れることになる(郵政民営化法により、株式公募・売出は今後も続く予定)。投資家にとって事業内容や収益性で魅力があるのか。この点を少し確認してみる。

ブームになっているROE(自己資本利益率)を計算すると、2015年3月期で日本郵政グループ全体が4.4%、対するTOPIX(東証株価指数)は8.3%である。実績ベースだが、今回の上場は日本の株式市場全体のROEを押し下げる(ただし企業と家計を仲介する金融機関の収益性についてあれこれ論じても仕方ないとの視点も重要だ)。

次に、バランスシートの規模や資本構成が似たゆうちょ銀行と三菱東京UFJ銀行を単体ベースで比較する。目立つのはゆうちょ銀行の有価証券と国債への偏りである。15年3月末時点で、ゆうちょ銀行が保有する有価証券は総資産全体の約75%、うち国債は約51%に上る。三菱東京UFJはそれぞれ約27%、約15%である。ただしバランスシートが生み出す収益性に大きな違いはない。貸し出しと有価証券を合計した運用利回りはいずれも約1.1%、調達コストはいずれも約0.2%である。これは同じ金融市場で業務を行っている点に鑑みると不思議ではなく、同時に「ゆうちょ銀行の預入限度額の引き上げ」が重要性に乏しいことを示唆する。

両者の収益性の大きな違いはバランスシートを使わない業務と経費にある。三菱東京UFJは粗利の約24%が運用商品販売や投資銀行業務などの役務取引から来る。ゆうちょ銀行は同94%が資金運用・調達から出ている。また粗利に占める営業経費(経費率)は三菱東京UFJが約57%、ゆうちょ銀行は約68%だ(図表1)。今後、ゆうちょ銀行はリスクの偏りをなくすポートフォリオの組み替えと、資金運用以外の業務の展開が必要になるだろう。

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