経営指標としてのROE(自己資本利益率)の注目度が高まっている。ROEは株主資本を使って効率よく儲けたかを測る。具体的には1株当たり利益(EPS)を、1株当たり純資産(BPS)で割って計算する。
経営者がこの指標を受け入れざるをえなくなったのには訳がある。3本の矢が次々に打ち込まれたからだ。
最初の矢は、2014年1月に算出が始まった「JPX日経インデックス400」。それまで日本を代表する株式指標といえば日経平均株価とTOPIXだったが、ここにJPX400が加わった。
同指数の最大の特徴は、対象銘柄の選別基準として3年平均ROEなどのファンダメンタルズに重きを置いている点だ。海外投資家をはじめ、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などが運用基準として次々採用したため、この400社に入れるか否かで株価には実力以上の差が生じる。初回にパナソニックや、当時経団連会長を出していた住友化学が“落選”したのは記憶に新しい。
第2の矢は14年11月、議決権助言の大手、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が放った。ISSは株主総会に出される議案への賛否推奨リポートを世界中の機関投資家に提供しており、機関投資家の投票行動への影響力は絶大。そのISSが助言方針の一つにROEを掲げ、過去5年平均のROEが5%未満かつ改善傾向にない企業については、経営トップの選任(再任)議案に反対を推奨することを盛り込んだ。今年6月の株主総会では反対票が大幅に増加した会社も出ている。
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