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歪みを生む「官製ベア」 なぜ賃金は上がらないのか

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厚生労働省のまとめによれば、2015年の民間主要企業314社の春闘(春季賃上げ要求)の平均妥結額は7367円で前年比656円増、賃上げ率は2.38%で1998年以来の高い率になったという。今後、賃金上昇が消費増加につながる動きとなるのだろうか。

昨年の春闘から安倍政権は主要企業にベースアップを迫り、「官製ベア」と呼ばれた。

その結果、同じ厚労省の調査で14年春闘の平均妥結額(314社回答)は6711円で前年比1233円増、賃上げ率は2.19%。また夏季一時金(374社回答)の平均妥結額は前年比7.28%増の80万0653円、年末一時金(回答339社)は同前年比5.16%増の80万0638円となった。

しかし、毎月勤労統計で発表される現金給与総額(名目賃金指数)の動きを見ると、13年半ばから増加基調に転じたものの、リーマンショック前の水準に戻っていない。物価の上昇を勘案した実質賃金指数で見ると、13年の円安進行による輸入物価の上昇と14年4月の消費増税が響き、現状はリーマンショック後の09~10年をも下回る水準だ(図表1)。

[図表1]
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一方で、完全失業率は09年7月の5.5%をピークに下がり続け、今年の4月、5月は3.3%だった。景気回復だけでなく、団塊世代の退出による労働参加率の低下が失業率を押し下げてきた効果も大きいだろう(図表2)。

[図表2]
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日本の場合、3%台前半の失業率はほぼ完全雇用の状況とされてきた。完全雇用が達成された後は、賃金は自律的に上昇していくと考えられる。だが、実際の動きは鈍い。そのため、完全雇用の失業率水準が2%程度に下がったのではないかという意見も出て、エコノミストの間で見解が分かれている。

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