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若者の地方定着策の盲点 県を越えてより広い経済圏での対応を

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  • 太田 聰一 慶応義塾大学経済学部教授
【今週の眼】太田聰一 慶応義塾大学経済学部教授
おおた・そういち●1964年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、ロンドン大学大学院修了(Ph.D)。名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て2005年から現職。専門は労働経済学。著書に『若年者就業の経済学』、共著に『もの造りの技能─自動車産業の職場で』『労働経済学入門』など。(撮影:梅谷秀司)

6月12日に、いわゆる「ローカルアベノミクス」の基本方針を明らかにする「まち・ひと・しごと創生基本方針検討チーム報告書」が出された。地方に仕事を創出し、新しい人の流れを生み出すためのさまざまな案が盛り込まれており、たいへん興味深い。他方、地域の企業・産業の活性化のためにイノベーションやブランド化を促進する目標一つとっても、長年の課題と認識されつつも十分に実現してこなかった経緯から、容易ではないことは明らかなように思える。長期を見据えた取り組みが必要だろう。

この「地域創生」で筆者が今後特に注目したいのは、若者が地元で就職できるような誘導策だ。地方の人口減少は、若者が都市部へ流出していることが大きい。また、進学などで都市部に流出する若者は、地方にとって必要な人材が多い。よって、若者の都市部への流出を抑制できれば、人口減少を緩和し、地域活性化に資することになる。そのために報告書では、地方大学などへの進学や地元企業への就職、都市部の大学などから地方企業への就職を促進する必要性が指摘されている。

実際、各自治体は地元から都市部に進学した学生のUターンを狙う動きを加速させている。たとえば、山形県は今年から県内企業の採用情報を集めたホームページを開設するとともに、就職活動にかかる交通費を1回1万円、1人につき2回を上限に支給することに決めた。

地方の若者が都市部の大学に流出することを抑制する政策も実施されつつある。最近、文部科学省は大都市部にある定員オーバーの私立大学の入学者数を減らす方針を発表したが、この狙いは都市部の大学に流れている若者の一部を地元の大学で吸収することにある。さらに、地方大学の奨学金に特別枠を設けて地域に貢献する若者を優遇することで、大学の活性化と若者の地元定着促進を図る施策も実行に移されている。

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