日本の相対的貧困率は16.1%。子どもの貧困率は16.3%である。全国民のおよそ6人に1人が貧困ということになるが、この相対的貧困率がどのような推計式で求められるのかという疑問の声も多い。簡単に説明しよう。
相対的貧困率は、国が持っている国民の世帯単位の所得データを基に計算される。まず、世帯員全員の可処分所得を合算した世帯所得を世帯人数で調整する。そして、その中央値の50~60%を貧困基準と定め、所得がそれ以下の世帯を貧困と定義する。2014年の貧困基準は1人世帯では122万円、2人世帯では173万円だった。相対的貧困率は、総人口に占める貧困世帯に属する個人の割合、子どもの貧困率は、総子ども数に占める貧困世帯の子どもの割合である。
相対的貧困率は、先進諸国の貧困の測定に用いられる最も一般的な指標であり、EUやOECDも採用している。既存のデータで貧困率を簡単に計算でき、貧困の動態やどの属性の人々に貧困が集中しているのかを知ることができるため、その実用性は高い。しかし、いくつかの欠点も抱えている。
一つは、所得データのみで計算されるため、貯蓄やその他の財の取り崩しを考慮していない点である。たとえば、富裕層は所得がゼロであっても、貯蓄を取り崩して高い生活水準を保つことができる。また、各世帯のニーズの違いも考慮していない。たとえば、同じ所得であっても、家賃が発生する世帯と持ち家の世帯では享受できる生活水準が異なる。
相対的貧困率の欠陥を補完するものとして、物質的剥奪という指標がある。これは、「1日3回の食事」「2足以上の靴」「必要なとき医者に行く」など具体的な生活項目について調査し、その欠如の度合いによって貧困を測る方法である。
この記事は有料会員限定です
残り 745文字
