コーポレートガバナンス・コードが6月1日に発効した。その後に開かれた株主総会で、コードが要求する2人目の独立社外取締役を選任した企業も多いはずである。彼らはどのような役割を果たすべきなのであろうか。
一連の改革の主旨は「攻めのガバナンス」とうたわれているが、独立社外取締役が攻めを先導しては、本末転倒となる。攻めの主力は企業のエンジンとなるべき社員たち、および操舵機能を担う社内取締役で、独立社外取締役は自動車運転教習所の教官のごとく、いざというときにブレーキを踏む役割を果たさなければならない。自動車レースの世界では、強力なブレーキが備わるからこそドライバーは攻めていけるという。
独立社外取締役は、社内の人々が攻めに専念できるよう、制度設計も担う必要がある。自動車に例えるなら、ガソリンの供給体制を確立するのが制度設計と考えてよい。中でも重要なのが、固定給と業績連動給から成る役員報酬で、これを社内の人々に委ねるとお手盛りと批判されかねないため、独立社外取締役が先導してしかるべきである。
しかし、日本の経営陣を攻めに駆り立てるには、これだけではまだ足りない。
これまで日本企業に投資する株主は、大切な金庫の鍵を泥棒に預けるに等しい面があった。もちろん、大半の経営者は善人で、悪意などみじんも抱いていないので泥棒呼ばわりするのは酷である。けれども、彼らは安定株主の存在によって株式市場の圧力から隔離されており、株主の資産を期待どおり増やしはしてこなかったのであれば、結果的に泥棒のそしりを免れない。
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