宮内義彦氏は1990年代からコーポレートガバナンス強化の必要性を訴えてきた。オリックスのシニア・チェアマンで日本取締役協会の会長も務める宮内氏はセブン&アイ・ホールディングス(HD)での人事騒動をどう見ているのか。
理解に苦しむのは、セブン&アイHDの取締役会が子会社であるセブン‐イレブン・ジャパンの社長交代人事を無記名投票で決めたことだ。
取締役は株主への説明責任がある。賛否どちらに投票したのかを役員が言えないというのはおかしい。社長交代という大事な案件を無記名投票で決めるのは間違いだろう。一人ひとりが取締役会で意見を述べたうえで投票するべきだ。それができないのであれば、ガバナンスを論じる以前の問題だ。
業績が右肩上がりのときに社長を代えるというのはものすごく重大なデシジョンで、取締役会を開く前に夜を徹してでも話し合うべきこと。本当なら鈴木敏文HD会長がそれぞれの役員ともっと議論を交わしてもよかったのではないか。
指名・報酬委員会を経て取締役会で議論したのだから、きちんと形式を踏んだという考え方もある。だが、ガバナンスは形式ではなく実質を追うべきものだ。中長期的な企業価値の向上を実現するためにガバナンスがある。
今回の決定に対する評価は何年か経たないと下せない。ここからセブン&アイが飛躍的な成長を遂げたとしたら快挙といえるのかもしれない。逆に業績が伸びなくなれば、大きな間違いだったとなる。(新体制では)鈴木さんの影響力を排除しようとしているようだが、コンビニ業界を作り上げた経験豊富な経営者を追い出すことが、本当に株主のためになるのだろうか。
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