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若年人口の減少は悲観すべきものなのか 若年世代にとっては悪い話ばかりではない

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  • 太田 聰一 慶応義塾大学経済学部教授
[今週の眼]太田聰一 慶応義塾大学経済学部教授
おおた・そういち●1964年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、ロンドン大学大学院修了(Ph.D)。名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て2005年から現職。専門は労働経済学。著書に『若年者就業の経済学』、共著に『もの造りの技能─自動車産業の職場で』『労働経済学入門』など。(撮影:梅谷秀司)

昨年実施された「国勢調査」の結果が順次公表されている。5年に一度の全数調査の結果は、それが明るいものであれ暗いものであれ、正確な実態として重く受け止められる傾向がある。最近注目を集めたのは、65歳以上人口比率が過去最高の26.7%に達したというニュースだろう。社会保障制度を維持していくうえで厳しい数値として取り上げたマスメディアもあった。

65歳以上人口のインパクトに埋もれがちだったのは、15歳未満人口、すなわち将来の日本を背負っていく子どもたちの数だ。昨年の15歳未満人口は1586万人で、5年前に比べて94万人の減少となった。全人口に占める比率も低下の一途をたどっており、昨年は過去最低の12.7%を記録した。

若い世代の数が先細っていくことが日本の社会に何をもたらすかについてさまざまな意見があるが、その多くは国力の低下を危惧する悲観論だ。しかし、そうした世代に属する人々にとっては明るい側面もある。

経済学には、ある世代に属する人数(世代サイズ)が、その世代の就業や賃金などに与える影響を調べる研究テーマがある。基本的な発想は単純だ。ある世代のサイズが大きいと、その他の世代に比べてその世代の希少性が低くなる。希少性が低いことは、労働市場における評価の低下につながるので、その世代の賃金水準や就職のチャンスが他世代に比べて抑制される可能性がある。

この仮説が成立するならば、たとえば、団塊の世代は人数が多いために他世代に比べて賃金水準は抑制されがちになり、労働市場では損をしてきたことになる。企業内では世代人数に見合うだけの管理職ポストが提供されないために、昇進競争が激しくなるという側面もある。これまでの実証研究には、こうした影響を示唆するものが少なくない。

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