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ライフ #生涯現役の人生学

二人で成立する 池田屋騒動は

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無理をしたわけではないが、奈良での講演から戻るとぶっ倒れた。クリニックの院長さんの見立てでは「脱水症状」と「前立腺肥大」。「手術でなく薬で癒やす方法を考えましょう」。明るくそう告げる。医療技術の発展とともに医師の人格的成長も目覚ましい。やはりお医者さんは聖職だとあらためて感じた。

しかし尿道に管を通されたときは痛かった。すでに死んだ多くの知人たちから「あんなイテエ(痛い)ことはない」と聞いていたから、その思いだけはしたくないと避けたかったのだが、優しい院長も有無を言わせない。アーもスーもないうちにズブリときた。痛いと思ったときにはすでに処置が終わっていた。

4年前の3月11日以来、昼夜が逆転して深夜はずっとテレビでBS放送を見ている。先日『蒲田行進曲』が放映されていた。見ていて驚いた。実に新鮮な発見をしたのだ。発見とは、「新選組の名を高めた池田屋騒動はたった二人で成立する」という事実だ。具体的には、襲った側は風間杜夫さん演ずる土方歳三(新選組副長)一人で間に合い、襲われた側は平田満さんが演ずる浪士一人で間に合うということなのである。

この映画の劇中劇を演出する蟹江敬三さんのキビキビとした監督ぶりが大好きで、蟹江さんが「本番参ります。キャメラさんOK? 照明さんOK?」とメガホンでそれぞれの部署へ確認を取るシーンは、根っからのカツキチ(活動狂。映画好き)である私の血を沸かせる。サミュエル・ウルマンの詩『青春』を借りるなら「映画好きはいつも青春なのだ」ということになる。

長い時間待たされた末に斬られて階段を転げ落ちるだけの大部屋俳優のワンシーンを撮るために、ブツクサ言うスタッフを押さえ込み、気色ばむ経営陣を鎮める監督の姿には、これから大ケガをする大部屋俳優への限りない同情と愛情がある。つまり、活動屋ならではのスピリットがみなぎっているのだ。

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