私の役人時代の最後の役職は、国土交通省の国土計画局長だった。この仕事を通じて、私はしきりに「地域づくりの構造改革が必要だ」と考えるようになった。具体的には次のような点だ。
第一は、誰が主役かだ。私の在任当時から全国総合開発計画はまったく注目されなくなり、数年後に廃止された。国が全国の地域づくりを主導するというモデルは時代遅れになったのだ。これからは地域が主体になるべきだと私は思った。
第二は、集中か分散かだ。私の在任当時、局内には首都機能移転企画課という組織があり、首都機能移転の準備・広報作業が行われていた。しかし、本気でその実現可能性を信じている人はどう見てもいないように思われた。
また、当時は「工場等制限法」という法律があり、東京、大阪などの中心部での工場等の立地を制限していたのだが、極端に評判が悪く、私の在任中に廃止された。私は、むしろ時代は分散よりも集中を求めていると考えるようになった。
第三は、どんな手法を使うかだ。当時は小泉改革が進行し、公共投資の削減が行われていた。それまで、公共投資は発展の遅れた地域に重点配分されていたので、公共事業が削減されると、これらの地域はたちまち行き詰まった。
これに対して、「だから公共投資の削減は問題だ」という議論もあったが、私は、公共投資依存型の地域づくりを行ってきたから行き詰まったのであり、この機会に地域資源を生かした個性発揮型の地域づくりに転換すべきだと考えた。
こうして私は「国中心から地方中心へ」「分散から集中へ」「公共投資から地域資源へ」が新しい地域づくりの方向だと考えてきた。ところが、最近、上記の流れに逆行する動きが現れている。
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