財政の健全化プランに関する議論が本格化してきた。経済財政諮問会議でも議論が始まり、日本経済団体連合会や経済同友会も提言を出している。
財政の健全化を考える際には、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の2020年度までの黒字化が、当面の大きな課題である。20年代初頭には、団塊の世代が75歳に到達し、社会保障給付費が大幅に増加することは確実である。少子高齢化が進むわが国において、この機を逃すと、財政の健全化が著しく困難になる。20年までに黒字化を実現することは、単に国際公約だからというだけではなく、財政健全化のために必要な最低条件であろう。ただし、当然それで安心というわけではない。それを実現したうえで、さらに将来に向けて、いかに財政の健全化を実現するかを検討していく必要がある。
今後の財政再建のためには、大胆な社会保障制度改革が急務であることは間違いないだろう。政府支出の中に占める社会保障関連の支出は大きく、その割合は高齢化に伴って今後も上昇していくことが予想されている。経済成長戦略によって成長率を高め、税収を増やしていくことは当然必要であるが、それだけで賄うのはとても不可能であろう。大きな決意を持って社会保障に関する支出を大幅に削っていかなければ、財政の健全化はありえない。そして、それができなければ、いつ大きな危機に直面してもおかしくない。
ただし、単に財政再建のためというだけでは、大幅に社会保障支出を削減するのは実際問題として難しいことも事実だろう。社会保障関連の支出を減らすことは大きな痛みを伴うからだ。単に支出を削減するだけではなく、その結果として社会保障の質を引き上げるような改革を行ってこそ実現が可能であり、かつ社会保障そのものにとっても意味のあるものとなる。
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