2020年度に向けた財政再建論議が政府・与党内で本格的に始まった。議論の出発点となるのは、2月12日の経済財政諮問会議に内閣府が提出した「中長期の経済財政に関する試算」だ。それによると、15年度のプライマリーバランス(PB)赤字は16.4兆円、対名目GDP(国内総生産)比で3.3%の見込み。20年度までにPBを黒字化するのが目標なので、要は今後5年間で16.4兆円の赤字をどう埋めるのか、算段しなければならない。
赤字を埋める手段は基本的に増税か歳出削減しかない。経済成長すれば税収が増え、GDP比で見ても、比率が改善されるので、これも考慮に入れる。問題はこれら三つをいかに実現可能な形でバランスよく見込むかだ。
内閣府の試算によると、アベノミクスが成功し名目成長率3%以上が実現する「経済再生ケース」では、20年度のPB赤字は9.4兆円、GDP比で1.6%まで縮小する。これに対し、名目1%台半ばの成長にとどまる「ベースラインケース」では、20年度のPB赤字は16.4兆円、GDP比3%も残る(図表1)。いずれも17年4月の10%への消費税率引き上げが前提だ。
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日本の潜在成長率は1%に満たない。ベースラインの名目1%台半ばの成長すら実現は容易でなく、経済再生ケースを当てにするのは危うい。百歩譲って名目3%成長が実現したとしても、なお20年度には9.4兆円の赤字が残る。
では、9.4兆円の赤字をどう埋めるのか。慶応義塾大学の鶴光太郎、土居丈朗両教授らを中心とする有識者グループは、「医療提供体制の改革や介護給付の効率化、自己負担引き上げなどによって3.4兆~5.5兆円の社会保障支出の削減が可能」とし、残る不足分のため消費税率をさらに12%へ引き上げることが必要だと試算している(図表2)。
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