昨年前半まで1バレル当たり100ドル台で推移していた原油価格(WTI先物価格)が50ドルを割り込んだ。原油価格下落の要因としては、米国におけるシェールオイル、シェールガスの開発が進んで構造的に供給が過剰ぎみであったところに、中国を筆頭にした新興国の実体経済の回復が遅れ、世界的に見たエネルギー、原油の消費量が伸び悩んでいることがあろう。
さらに、通常であれば減産に転じるはずのOPEC(石油輸出国機構)が今回は減産していないことが下落ピッチに拍車をかけた。中東諸国に比べ採掘コストの高い米国のシェールオイルを窮地に追い込むためだとか、ウクライナ問題に関連した対ロシア制裁の一環、などの指摘があるが真偽のほどは定かではない。いずれにせよ、今回は供給側の意思により、原油価格の反転のきっかけがなかなか見いだせない状況にある。
さて、年末年始を挟み、多くのメディアが2015年の経済見通しを問う特集を組んでいたが、ほとんどの識者が、株価は順調に上昇するとの見方を示すと同時に、その支援材料として原油安が企業の採算改善を促すとの主張も少なからず見られた。
はたして本当に原油価格の低下は企業の採算改善につながるのだろうか。実際にデータを見てみよう。
企業業績とは相関なし
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図表1は、1980~2013年度の各年度について、原油価格(円建て)の変化率(横軸)と、経常増減益に占めるマージン要因(縦軸)を示したものである。結論は見てのとおりで「無相関」だ。これほど重要な経済指標同士が、これほど無相関である例は珍しい。本当に、原油価格の変化は企業部門の採算に影響を与えていないのか。また、与えていないのならばそれはなぜなのか。
エネルギー価格というファクターは重要すぎて、価格低下というメリットを企業部門が他部門に対して、また、企業部門内でも特定の業種が他業種に対して、独占し続けることは不可能だ、ということが考えられる。実際、原油価格の変動は2四半期以内にその他の財の価格に波及することが、知られている。
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