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追っかけオバさんはわがふるさと 一年に一度の大事な出会い

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ごくわずかだが私にも“追っかけ”がいる。著書が縁でそうなった人と、講演などの行事がきっかけになった人がいる。岐阜県恵那市岩村町のオバさんたちは後者だ。この市では「下田歌子賞」というのを設けて、毎年全国から作文を募集する。小学生・中高生・一般の3部門に分けている。下田歌子さんは「実践」系の学校の創始者であり、また有名な歌人だった。歌子の名は明治天皇の皇后(昭憲皇太后)が命名してくれた。それにちなんで作文のほかに短歌も募集する。2014年で12回目になるが、私は最初から審査委員長を頼まれている。

岩村は面白い町で、古城に行く道の商店街は、各店とも入り口にのれんを下げている。こののれんが表札代わりなのだが、染め抜かれた名はすべて女性のものだ。かつて岩村城主が女性だったことがあるので、観光PRでは“女城主のまち”と銘打っている。現在の城主は市が女優の渡辺美佐子さんに依頼している。

さて、作文、短歌の応募作品は数千に達する。各部門10編に絞られたものが、私や数人の委員さんに届けられる。優秀作を決めるのに全員が会って調整などしない。バラバラな点数を集計して、最高点を取った作品を最優秀とし、以下佳作数点とする。そして毎年年末に表彰式を行う。私にも総評という役割がある。

新幹線で名古屋に行き、中央線で中津川に行く。ここで市の迎車のお世話になり岩村に向かう。会場は公民館だ。入ると廊下で待ち構えていたオバさん群が、一斉に声をワァーッと上げた。私の“追っかけオバさん”たちだ。不思議で仕方ない。1年に一度しか会わないのに歓待してくれる。この日以外付き合いもない。しかし私の講演は必ず聞きに来てくれる。数年前、沖縄県の那覇市まで来てくれたことがあり、それにはこっちが身を縮めた。

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