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賃金が上がらないのに「値上げ」日本の絶望未来 コロナ禍におけるインフレは格差拡大を加速

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  • 森永 康平 マネネCEO/経済アナリスト

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「インフレ」や「スタグフレーション」という言葉を聞く機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。テレビの情報番組をつければ「ミートショック」や「ウッドショック」など世界的なインフレについて特集していたり、「値上げラッシュが家計を直撃」「FPが教える家計防衛」などのインフレ対策が報じられていたりします。いったい日本の経済は今後どうなっていくのでしょうか? また、私たちの家計や生活にどのような影響があるのでしょうか。経済アナリストの森永康平氏の新著『スタグフレーションの時代』より一部抜粋し再構成のうえお届けします。

国民目線の「良いインフレ」

2021年後半から日本でもインフレの話題をSNS上で目にする機会が増えた。私を含めて、経済の専門家や投資家たちは眼前のインフレに対して、需要が物価を牽引する「デマンドプル型のインフレ」や、原材料高による物価上昇を指す「コストプッシュ型のインフレ」など、インフレの性質について議論をしていた。

メディアも「良いインフレ」や「悪いインフレ」といったもう少しわかりやすい表現を使い、昨今ではついにスタグフレーションという言葉も頻繁に取り上げられるようになった。

インフレについての議論が活発に行われることは結構だが、決して忘れてはいけないのは「国民目線」だ。家計からみれば、デマンドプル型であろうが、コストプッシュ型であろうが「悪いインフレ」でしかない。今日100円で買えたものが105円になれば、そのインフレの理由が何であれ、家計を圧迫するのだから。

国民目線で「良いインフレ」というものがあるとするのならば、賃金が上がって購買力が高まり、物価上昇率が賃金の上昇幅の中で収まっている場合であろう。そこで、先進各国の名目賃金がどのように推移してきたかをまとめた図がある。ドイツのデータが1991年からのため、1991年を100として指数化している。

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