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ライフ #漂白化される社会

自虐笑いや土下座すらネタにできない空気の正体 弱者が弱者として語ったり、演じたりもNGとなる

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弱者であっても弱者自身の自虐が許されなくなってきている(写真:ナオ/PIXTA)
清廉潔白、品行方正、謹厳実直――。とことん潔癖が求められる。そんな現代ニッポンの実態と、生き抜き方を具体例とともに追っていく連載第3回。
前回:「人を外見で判断」が根本的に問い直されている訳(3月3日配信)

かつてのNGコンテンツ案件

読売新聞はかつて「美女と醜女とは犯罪に縁が深い」とする記事を載せたことがある。美女とは多数の男女が見目麗しいと感じる人、醜女とは……この説明自体がもはや難しい。美女と醜女とも、それぞれの理由によって男性から犯罪に巻き込まれるとする内容だ。

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といっても記事の発表は1934年。現在、外見との因果や相関を大手メディアが述べるのはご法度だろうが、先の大戦の前には、この表現も認められていたということなのだろうか。

ところで現在、ある有名な企業がある。ここの販売会社の部長を経験した男性の本がある。書籍中の節タイトルに驚愕する。「ついに掴んだ恍惚の大処女集団」とある。この男性はある製品(Aとしよう)を販売する仕事をしていたのだが、女性の独身寮をたまたま見つけて、売り込みの機会を得ることになる。

<さて皆さん、あなた方はいずれはお嫁に行く。そして必ずAを使う必要ができてくる(中略)何せこの寮には無慮三千人という大処女群がある。その何割でも攻略したら、こいつはすごい成績だと、思わず生唾を飲み込む思いであったからだ>。

きっとこれは現代なら大炎上する記述だろうが、私の有している本の奥付によると45版(45刷ではなく45版なので相当な売れ行きだ)で1980年代後半までベストセラーを続けていた。

おそらく、この記述も現在では許されないばかりか、きっと不買運動まで引き起こすに違いない。

さすがに、さきほどあげたコンテンツは現在から見たら完全にNGとなるだろう。そもそも校正段階で許されない可能性が高い。

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【弱者はいつまで正義でいられるか】

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