病気のサインになる「ウンチの色」注意すべき3色 毎日チェックすべき便、得られる情報は多い
──肛門から血が出るって怖いですね。
例えばお尻を拭いたとき、ちょっとだけ血が付いていたとします。「これぐらいならいいか」と思う人も多いのですが、腸は長いので、出血源が腸の奥であれば、肛門にたどりつくまでに血液の量が減っていき、排便する頃には少ししか付いていないということも考えられる。
つまりトイレットペーパーに付いた血は少しだけど、腸の中は血まみれということもあります。そうなるとある日突然貧血で倒れたりします。見た目の血の量と、腸の中の血の量の相関関係は医師でないとわかりませんから、お尻から血が出たら、すぐに病院に行ってください。
──ものすごく怖くなってきました。
いずれにしても血が出たり、健康診断で急に貧血が進んだ場合は、腸内から出血している可能性も考え、1度は大腸カメラをしてほしいですね。
そして3つめの危険な色は黒です。
黒い便は、胃系の病気の可能性あり
──焦げ茶みたいな感じですか? 身に覚えあり……。
いえいえ、そんな程度ではありません。油の膜が張ったような緑がかった黒で、黒色便やタール便とも呼ばれるほど真っ黒です。
こちらは胃や十二指腸など、消化管の出血が考えられます。胃炎や胃潰瘍、胃がんのことが多いですね。
──胃炎や胃潰瘍の場合はやっぱり痛いですよね。
普通は痛みがありますが、ない人もいますし、痛くても大したことはないと思っている人もいます。いつも胃やお腹がムカムカしている人も要注意ですね。
──なるほど、気を付けます! ところで形やニオイがおかしい場合はどうでしょう?
ウンチの形はブリストル・スケールと呼ばれる分類があって、なめらかなソーセージ状の便が正常です。コロコロした便は、腸に止まっている時間が長かったということ。つまり、便秘の可能性が高いですね。
逆に下痢のようなビチャビチャの便の場合は、食物繊維の摂取量が少なかったり、腸内細菌の環境が不調なことが考えられます。
ニオイは食べたものに寄与しますので、肉が多い食事をしている方は臭くなります。ただ、形も臭いも病気に直結するものではありませんので、バランスのいい食事をして、ストレスをためず、適度に運動すれば大丈夫です。
ウンチには、思った以上にいろいろな情報が詰まっていることが判明した。便チェックを毎日のトイレの新習慣に加えてみよう。
取材・文/林田順子
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