「寒くなると体が痛む」は手足の冷えが原因かも 自覚がない「隠れ冷え」に陥っている可能性も

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

家にいるときは、保温効果のある靴下やレッグウォーマーを履き、それでも冷えてきたら足湯や湯たんぽなどで温めます。そうやって冷える瞬間を作らないようにします。

冷えが強い人は、外出時は足裏用カイロなどで保温を。特に女性はスカートやパンプスを履く機会も多く、足が冷えがちです。できれば裏起毛が付いたタイツやレギンス、ボア入りのブーツなどで対応してください。

足の冷え対策として靴下を何枚も重ね履きされる人がいますが、残念なことに、靴下を脱いでもらうと足は冷たく湿っていることが多いです。

靴下を重ね履きすること自体は悪くありませんが、その際はまず足を温めてから履くことをおすすめします。靴下は温かい足を冷やさないためのものと考えてください。また、ちょうどよいサイズの靴下を重ねて履くと靴下のゴムで締め付けられてしまい、逆効果です。ゆったりしたサイズのものを履くようにしましょう。

(3)食べもので体の中から温める

漢方では、食品には「体を温める食品」と「体を冷やす食品」、そしてどちらでもない「平性の食品」という分類があります。体を冷やす食べものをなるべく減らし、体を温める食べものを積極的に摂ることで、体を内側から温めて冷えを改善することができます。

「体を冷やす食品」というと、アイスクリームや冷えた飲みもの、氷などが思い浮かべるかもしれませんが、ここでいうのは「自分の体温以下のもの」です。

冷えが強い患者さんには、徹底して自分の体温以下のものは口に入れないことを勧めています。具体的には、冷蔵庫から出したばかりのもの(サラダ、ヨーグルト、刺身など)は避け、水やお茶、くだものも常温で摂ってもらいます。なお、コーヒー、ハーブティーなどの温かい飲みものでも、飲み過ぎると体を冷やすので、ご注意ください。

また、夏野菜(今は季節に関係なく売られています)、フルーツ全般、砂糖(を使った料理、菓子)、小麦製品は体を冷やす性質がありますので、控えめにしましょう。

私自身は足の冷えはありませんが、冷えて手の感覚が鈍ると、施術に悪い影響が出ますので、冷え予防は必ずしています。

まず、運動不足解消も兼ねて往復1時間を自転車通勤にしています。冬は冷たい風が吹くので、標準的な服装では冷え切ってしまいます。

そこでダウンパンツにボア入りの靴、ダウンジャケットにネックウオーマー(針金入りで目の下まで隠れるもの)、ヘルメットをかぶり、外気に触れるのは目の周囲だけという、完全武装します。その状態で自転車をこいでいると、10分くらいすると軽く汗ばんできます。

食事では、2日に1回は夕食を鍋にしています。体が温まりますし、具材や味を変えれば飽きることもありません。まず魚や肉、豆腐などを食べ始め、次に野菜、最後は雑炊にします。

食事は、何を食べるかも大切ですが、食べる時間や量にも気をつけています。毎日なるべく同じ時間に食べ、特に夜は遅くても寝る2〜3時間前には食べ終わるようにしています。眠っている間に内臓に血液が集まりすぎると良い睡眠を得られず、疲労物質が残ってしまいます。質の悪い睡眠は結果的に冷えにつながります。

平地 治美 薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらぢ はるみ / Harumi Hiraji

東洋鍼灸専門学校非常勤講師、日本東洋医学会代議員。朝日カルチャーセンター、津田沼カルチャーセンターなどで漢方関連の講座を担当。明治薬科大学薬学部卒業後、漢方薬局勤務を経て、東洋鍼灸専門学校に入学。漢方治療の大家である寺師睦宗氏に漢方を、石原克己氏に鍼灸を、クリシュナU.K氏にアーユルヴェーダ医学を学ぶ。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る・動かす・食べるで健康になる』(日貿出版)など。You tube「平地治美・漢方チャンネル」も開設。ブログ「平地治美の漢方ブログ」。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事