昼寝の習慣が病気リスクを低下させる台湾の教え 最古の医学書の教えに基づき小学校も企業も導入

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小学生でお昼寝かぁ……とびっくりしていたら、台湾では小学校から高校まで、昼食後に昼寝の時間が設けられている学校が多いと知り、さらにびっくり!

そう、ここ台湾ではお昼寝の習慣があるんです! お昼寝は授業時間と同じで強制参加のため、眠くない生徒も目を閉じて静かに寝なければなりません。

お昼寝と健康維持の教え

しかもなんと社会人になってからも昼寝の習慣を持ち続ける台湾人は多いようで、仕事の効率を上げたり、病気のリスクを低下させる効果があると言われているため、昼寝を導入している企業が多く、昼食が終わった後12時半頃から会社の電気を消して30分〜1時間程度しっかり休むのだそう。そんなときに1人だけPCをカタカタいわせながら仕事をしていると同僚から「うるさい!」と言われてしまうそうですよ。

この台湾にある「昼寝文化」なのですが、その由来はおよそ2000年前に編纂された最古の中医学書「黄帝内経(こうていないけい)」にさかのぼるそうです。体を整え、健康維持のための古代からの教えに基づいていると言われています。世界を見てみてもスペインをはじめとするラテン諸国に根付く「シエスタ」の習慣も同じ文化ですね。

外で遊びたい盛りの長男には、慣れないお昼寝時間が最初は苦痛だったようですが、今ではお昼寝の時間にエネルギーを蓄えないと午後の授業が眠くて仕方ないと言うようになりました。短時間の睡眠はその後の勉強や仕事の効率を上げる効果が期待できるので、確かに有益かもしれません。

午後に集中力が持たないという人は是非お昼寝文化を生活の中に取り入れ、生産性の向上を目指してみてはいかがでしょうか?

(文:神谷知佳)

神谷知佳/ライター
台湾で2児(ともに男児)の子育て真っ最中。国際線CA→大手スポーツメーカーの人事を経て台湾移住。現在はフリーランス人事として仕事と育児のバランスを模索中。
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