早慶上智の志願者数が軒並み減少している理由 新設学部が志願者数の増加に貢献した大学も

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【志願者数ランキング 21位~50位】志願者数は大学通信調べ。主要私立大学約100校を調査。出願締切日が2月15日以前の入試方式の志願者数を集計した。明星大学は、出願締切日が2月16日以降の方式も含めた昨年最終数を用いて昨年比を出した。一般入試のみで、2部・夜間主コース等を含む。*印は該当する方式について志願者数が未確定の大学で、数値は2月18日まとめ(図:AERA.dot/週刊朝日2020年3月6日号より)

背景にあるのは、よりいっそう強まった受験生の安全志向だ。来年度から大学入学共通テストが始まるため、受験生がハイレベルな競争を避けた結果、人気のブランド大や難関大が続々と志願者を減らす「ねじれ現象」となったとみられる。安田さんは次のように指摘する。

「推薦・AO入試の合格者が増え、センター利用の私大志願者は大幅に減った。そこから推測するに、浪人したくなくて、上位校を受験しなかったのでしょう」

文系は日大、理系は千葉工大が志願者数を増やした

こうした中、志願者を増やした大学もある。ランキング2位の日本大は昨年比15%増、約1万3000人志願者が増えた。昨年度は「アメフト問題」で大幅に志願者を減らしていた。教育ジャーナリストの小林哲夫さんが言う。

「せいぜい昨年並みに落ち着くかと思ってましたが、増えましたね。経済学部など、文系の学生が戻ってきたのではないでしょうか」

理系の単科大学で志願者を伸ばしているのが、14%増の千葉工大だ。試験日を自由に選べたり、1日の受験で受験料の追加なく全学部・全学科を併願できたりする制度があり、センター利用の志願者も好調だった。

「日大や東洋大、東芝電工(東京都市大、芝浦工大、東京電機大、工学院大)の併願校に位置づけられ、同じくらいのレベルの大学がほぼない。津田沼、新習志野の両キャンパスは駅前でアクセスもよく、東京にも近い。ロケーションも大きいです」(小林さん)

神奈川大は11%増。4月に国際日本学部の新設、2021年度にみなとみらいキャンパスの開設など、話題が絶えない。さらに小林さんは指摘する。

「横浜市、藤沢市、横須賀市など、地元の受験生が東京に行かず、神奈川大へ行く。首都圏の中での地元志向ですね」

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