40代から急増するやっかいな「めまい」の正体 女性の約3割が経験、めまいはなぜ起こるのか

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一方でメニエール病はどのような仕組みで起こるのでしょうか?「メニエール病はストレスとの関係が深いといえます。ストレスを感じたときに、腎臓で尿を再吸収する抗利尿ホルモン(ADH)が分泌されますが、ADHを受け取る受容体が耳にもあるため、三半規管や蝸牛にリンパ液がたまるようになるのです」と肥塚先生は解説します。

几帳面でストレスがたまりやすい人は、メニエール病になりやすいので注意しましょう。

「メニエール病」が起こる仕組み

突発性難聴は、めまいが1回だけ起こり片方の耳が突然聞こえなくなるのが症状の特徴です。また、耳の奥の前庭神経の炎症が原因の前庭神経炎は、グルグルと激しく回るめまいが、数日間断続的に続きます。突発性難聴は、早期の治療が欠かせないので医療機関で受診を。原因がわかったら、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎は平衡訓練で症状の改善と予防が可能です。

「良性発作性頭位めまい症は、三半規管に入った耳石を平衡訓練で排出すれば治まります。メニエール病も発作が治まった後に、ふらつきが残ることがありますが、平衡訓練で症状は軽減されます。前庭神経炎は、風邪のウイルス感染が原因と考えられますが、薬で症状が治まった後にもふらつきが残ることがあり、その症状も平衡訓練で改善できます」と肥塚先生。

「寝転がり体操」は平衡訓練の基本です。習慣化すれば、めまいの改善・予防になります。また、親の介護などのストレスや運動不足も、耳の異常につながりやすいので、ストレス発散や運動習慣を持つなど生活習慣もめまい予防に大切です。

「持病の薬でもめまいにつながることがあります。特に5種類以上の多剤併用の方はご注意を。めまいの症状があるときは主治医に相談しましょう」

■達人のツボ

持病の薬には要注意です!

降圧剤や睡眠薬など持病の薬で「薬剤性めまい」が起こることがあります。 高齢になると肝機能や腎機能が低下して服用した薬の成分の代謝が悪くなるため、体内が多量の薬を飲んだ状態になりやすいのです。薬の副作用には注意が必要です。

(取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史)

<教えてくれた人>
肥塚泉(こいづか・いずみ)先生/聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科教授 。聖マリアンナ医科大学医学部卒。大阪大学医学部耳鼻咽喉科、米国ピッツバーグ大学医学部などを経て2000年より現職。聖マリアンナ医科大学病院「めまい外来」で5万人以上のめまいを解決している。

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「毎日が発見ネット」編集部
「まいにちがはっけんねっと」へんしゅうぶ

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