「ピンとこない相手」と結婚まで持ち込む方法 「比較検討」で長所が見える場合もある

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そして、SEの幸田だが、彼にいたっては空白の5日間がプラスに転じた。好感度が上がり、気持ちがぐっと近づいた。まずは、休み明けで会ったときに、こんなサプライズをしてくれたのだ。

「実はその5日間の間に、私の37歳の誕生日があったんですね。食事をしたときに『この間、誕生日だったよね』と言って、シャンパンを頼んでお祝いをしてくれた。 “5日間何も考えずに1人の時間を過ごしたい”と言ったときも、嫌な顔をせずに受け入れてくれた。お見合いのときには、ピンとくる相手ではなかったんですよ。でも、お会いして時間を重ねていくうちに、人を受け入れる許容量の大きさに気づいたし、考え方にも柔軟性があるというのがわかった。あと、声を荒げて怒ったりもしない。こういう人と結婚したら、生活も穏やかで楽しいんじゃないかなって」

こうして彩子は、幸田を選び、そこから3カ月の真剣交際期間を経て、11月には成婚退会をしていった。

「12月までに結婚をする!」という、当初の目標を達成したことになる。

短期間で結婚を決めたいなら、最初は複数と交際する

彩子がなぜ結婚できたのか。まずは、遮二無二がんばる彼女のバイタリティが結婚を引き寄せたことは間違いない。婚活疲れを起こしたときも、腐ることなく、後ろを向くことなく、上手に気分転換をして婚活を再開させた。

またピンとこなかった相手でも、自分が決定的に嫌でなければ、“交際希望”を出し、どんどん会っていったのも、成功のポイントだ。

さらに言うなら、お見合いには、“交際”と“真剣交際”の区分があり、“交際”というのは、食事やデートをして相手を知る期間、“真剣交際”は、付き合う相手を1人に絞って結婚に向かう期間なのだが、“交際”の期間に複数と並行して会い、そこから真剣交際の相手を絞り込んだのもよかった。

もしこれが複数ではなく、1人とだけ交際していたらどうか? 1人がだめになった時点で候補者はゼロになり、スタート地点からのやり直しになる。そのぶん時間もかかる。ところが複数いれば、ダメになってもまだ候補者は残っている。1人がダメになったら、またお見合いをして1人を補充すればいい。

また複数と付き合うことのメリットは、それぞれを比較検討できるところにもある。最初はピンとこなかった相手でも、付き合ってみると意外な長所や居心地のよさを発見することができる。

さらに言うなら、ひとりを好きになりすぎると、自分らしい行動がとれなかったり、相手に対して期待してしまったり、相手が重たいと思う行動をとってしまいがち。そんな相手に振られたら、心のダメージも大きい。立ち直るのに時間がかかる。これが複数と付き合うことで執着が分散できる。それによってより自分らしく振る舞えるし、振られたときのダメージも少なくなる。

ただし、結婚相談所には相談所のルールがあり、交際期間中に男女の関係になることはご法度だ。“男女の関係は成婚とみなす”というルールがあるし、一線を越えると、男性はテンションがいったん下がるのに対し、女性は気持ちが入ってしまう。そこは、仲人としていつも会員に厳しく伝えているところだ。

さて。先日、成婚退会をした彩子が、事務所に遊びにやって来た。

「プロポーズされたときよりも、今のほうがもっと彼を好きなんです。日に日に好きな気持ちがどんどんと積み上げられていく。だから、結婚って完成品を選ぶのではなくて、お互いに作っていくものなんだなって思いました。完成品を探しに行っても、そんなものは存在しない。それが今回の婚活でよくわかりました」

笑顔が幸せそうだった。

おめでとう! あなたのがんばりがつかんだ幸せよ!!

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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