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家族の死をきっかけに遺産相続問題が起こり、血縁者間での骨肉の争いへと発展するケースは多い。遺産をあてにしていなかった人でも、いざ当事者となると豹変し、自分の権利を最大限主張することも少なくない。親族と争ってでも、少しでも多くの遺産を手にしたい、と思うのが人の性(さが)なのかもしれない。
しかし、半世紀近く弁護士を務める西中務氏は、遺産相続においても「争い」はなるべく避けるべきだと説く。争いに勝ったとしても、長期的に見れば、かえって大きな不利益をこうむる結果になることも多いというのだ。
このたび
『1万人の人生を見たベテラン弁護士が教える「運の良くなる生き方」』
を上梓した西中氏が、
前回、
前々回に続き、弁護士でありながら「争わない生き方」を勧める理由を語った。
遺産争いほど悲しいことはない
私のように47年間も弁護士をしていると、さまざまな争いを見ることになります。
弁護士は争いがあるから成り立つ職業ですが、本当はどれも、争わないほうがいいと思っています。争ってよいことは何もないからです。
争いは不運の道、不幸の入り口です。
それがわかっていて、争いを飯の種にしているのですから、弁護士というのはつくづく罪深い仕事だと思います。
ことに悲しいのが、遺産をめぐる争いです。親が亡くなっただけでも悲しいのに、続けて兄弟同士や親戚同士で財産を奪い合うのですから、本当にやりきれません。
私はいつも、遺産相続の問題が起こると、訴訟にはせずに早く和解するように説得することにしています。
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【うまく収まることばかりではない】
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