5G SAの契約者だけが全国で影響を受けた障害は、23年8月15日、24年4月3日に続いて3回目だ。過去2回はいずれも1時間ほどで復旧していたが、今回は約14時間かかった。なぜこれほど長引いたのか。
復旧に14時間かかった理由
障害は、5G SA用の中核設備で行っていた保守作業をきっかけに始まった。作業中に、5G SAの契約者を収容する交換機のうち、通話の接続を制御する部分でメモリー異常が起きた。
坪谷寿一副社長によると、メモリー異常そのものは珍しいことではない。ただ今回は、副社長が「カウンターとなる装置」と表現した別の装置にも不具合があったという。この装置が具体的に何を指すのか、会見では説明がなかった。メモリー異常を起こした側が接続先を何度も探し直すうちに処理が滞り、端末からの再送も重なって、中心の装置が輻輳した。ドコモは、作業の手順に問題はなかったとしている。不正アクセスやサイバー攻撃の形跡もないという。
復旧に約14時間かかった理由として、ドコモは同じ時間帯に別の作業が並行していたことを挙げた。加入者データベースのファイル更新だ。ドコモはまずこちらを疑い、確認を重ねた。その後、交換機のメモリー異常に原因を絞った。異常が起きていたのは稼働中の設備だったため、対処も慎重に進めた。これも障害の長期化につながったという。
障害発生の前日、11月4日にドコモは26年度第2四半期の決算を発表した。上期は増収増益で、通期の営業利益予想を200億円上方修正した。あわせて、設備投資計画を430億円増やして9000億円とした。
増額の中身を問われた前田社長は、細かくは伝えにくいとしたうえで、5G SA対応のネットワーク設備を増強する費用を多めに積んだと説明した。
会見では、総務省の資料でドコモの5G基地局数が他社より少ないと指摘されていることも質問に出た。前田社長は、トラフィックが毎年20%以上増えるなかで優先順位をつけて整備していると回答。通信インフラの再強化の進捗を問われると「時間がかかっていることも事実」と認め、完成という状態はないので投資を続けると述べた。


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