とはいえ、ゴジラとキングギドラという強大な存在に対し、人間ドラマパートが長すぎたと筆者には感じられた。その結果、キャラクターの視点が分散し、視聴者が感情移入できる部分や納得感が薄まってしまった印象を受けたのだ。SNSの反応を見ていると筆者と同じように感じた人は少なくないようで、人間パートを削り、ゴジラとキングギドラのバトルシーンを増やすだけで、否定的な意見は限りなく少なくなったと感じた。
現代人こそ観るべき『ゴジラ-0.0』で描かれるメッセージ
では、「本作はまったくの駄作なのか?」と聞かれれば、「決してそんなことはない」と断言できる。なぜなら、『ゴジラ-0.0』では、徹底的な「反戦」が描かれているからだ。「戦争をしても何も残らなかった。たくさんの命が失われただけだった」と生々しく描くことで、戦争反対のメッセージがしっかりと伝わってきた。
さらには、広島の原爆被害をそのまま描くことで「核による悲惨な被害」を示すのも、制作陣の想いを感じた。遠足で原爆資料館に行く広島出身の筆者としては、原爆被害の描写は見慣れた光景でもあったが、平和教育を受けていない人にとってはショッキングだったようで、中には具合が悪くなって途中退席してしまう人もいたようだ。
また、作中では「使わない。使わせない」と、大量殺戮兵器に対するスタンスが強調されていたことも指摘に値する。非核三原則そのもので、核を「持たず・作らず・持ち込ませず」を改めて主張したいのだろう。
そして重要なのが、前作『ゴジラ-1.0』の興行収入の大半を占めるアメリカで、シリーズ史上初となる「R指定」(17歳未満は保護者や成人の同伴が必要)で公開されたこと。シーンをカットするより、レーティングをつけてでもそのまま公開することを選んだのだろう。


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