禁止規定の適用開始が近づくなか、専門店や食用犬の飼育農場は、廃業や転業を迫られている。
韓国農林畜産食品部が26年5月に公表した資料によると、対象となる食用犬飼育農場の約82%がすでに閉鎖されたという。
専門店が犬肉から、黒ヤギや鶏料理に切り替える可能性も
八田氏は、専門店のなかには、同じく滋養食として親しまれる黒ヤギ料理や鶏を使用したサムゲタンなどに切り替える店もあるとみている。
「私が食べた印象では、ヨムソタン(ヤギのスープ)とポシンタンは味わいもよく似ています」とし、そのうえで、「そういった工夫でお店自体は生き残っていくのではないかと思います」との見解を示した。
今後の犬食文化について八田氏は、「衰退していくと思います」と予想する。一方、過去の食文化としての知識は残っていくだろうという。
ただ、禁止後も犬肉を求める人が残った場合、違法な流通や販売をどう防ぐかという課題も考えられる。韓国政府は26年5月、違法な飼育の再開を防ぐため、閉鎖済みの農場も含めて現地調査や監視を行う方針を示した。
では、長年続いてきた食文化が法律によって姿を消すことを、どう考えればよいのだろうか。
食文化研究家の畑中三応子氏は、食習慣が社会や制度の影響を受けることについて、次のように語る。
「私たちは選んでいるようで選ばされている」
食べ物は個人の好みで選んでいるように見えても、実際には国の政策や企業の働きかけなどが、その選択に大きく影響しているという。


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