筆者より少し前の1999年から2000年にかけてソウルに留学していたという八田氏も、当時から韓国人の反応はさまざまだったと振り返る。
「喜ぶ人、嫌がる人、理解は示しつつも自分は食べないと語る人などさまざまでした」
筆者は留学当時、檻の中に複数の犬が入れられている光景も目にしたが、それが食用の犬だったかどうかはわからない。ただ、八田氏も00年代半ば頃までは、市場などで食用の犬を見かけた記憶があるそうだ。
「犬は家族」へ…変わり続けた韓国社会
犬食文化をめぐる議論は、最近になって突然始まったものではない。
1988年のソウル五輪では、韓国の犬食文化に対して国際的な批判が集まった。2002年の日韓ワールドカップの際にも、同様の議論が起きている。
八田氏も「大規模な国際大会があるたびに話が持ち上がる印象です」と語る。
韓国国内でも、犬に対する価値観は変わってきた。以前はペットを「愛玩動物(エワンドンムル)」と呼ぶことが一般的だったが、近年は家族のような存在を意味する「伴侶動物(パルリョドンムル)」という言葉が広く使われている。
こうした意識の変化に加え、食用犬の飼育や屠殺をめぐる動物福祉の問題も、法律制定に至る議論の背景にある。
八田氏は今回の法律について、「法で禁じるとの選択は少し驚きました」としながらも、国内外の反応を踏まえれば「それも時代の流れなのかなと思っています」と述べた。


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