駅弁を食べて、その土地の名物を知ることが多々ある。京都丹後鉄道で予約販売している駅弁「丹後ばらずし」(ヤノ株式会社)を以前取材したことがあるが、郷土料理なのにすでに娘さんの代は家庭では受け継いでいないという。
また、別の場所でも郷土料理を取り入れた駅弁に感心し、現地で実際にその料理を食べてみたいと探してみたところ、提供してくれる店がなくて驚いたこともあった。
「その土地で獲れていて地産地消が当たり前だったものが、獲れにくくなってきている現状があります。食材がなくなると、料理そのものが消えてしまう可能性も。しかし駅弁は、食材の産地を変えながらも、料理を伝承する機能を持っています」
確かにイカが不漁で、イカを使った駅弁は産地を変えたという話を耳にしたことがある。また、地域の郷土料理自体が廃れてきて、「駅弁として形にして残してほしい」という地元からの要望などもあるそうだ。
家で駅弁を食べる人が多い
そしてさらに奥山さんは、郷土料理と駅弁との関連性を調べるため、広島県を中心に、県外も含め6000人以上の消費者にアンケートを取った。
「県内の人がその県の郷土料理を知っているのは当たり前ですが、普段から駅弁をよく食べている人は、県外でもその郷土料理について知っている、または知りたいと思う傾向が強いことがわかりました。また、駅弁は家で食べる人(中食)が多かった。この結果から、駅弁が旅としての需要から食事としての需要に変わってきているのを感じます」
その地域ならではのものをもっと食べたいという欲求は、東京に住んでいる私からすると当然だが、その土地に住んでいる人にはそうではないのかもしれない。そして駅弁を食べる場所については、個人的にも圧倒的に家で食べることの方が多い。駅弁大会では、それが顕著だ。

