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ビジネス #鉄道最前線

「単なる弁当」の域を超えた駅弁の存在意義 失われゆく郷土料理を継承、次世代に残す食文化

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駅弁は ボックス席が よく似合う (イラスト:やすこーん)
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私が鉄道好きになったきっかけは、18年前に初めて乗った寝台特急「富士・はやぶさ」だ。基本、車内販売がないため、東京駅で駅弁を買って乗らないと、終点の熊本まで17時間半の間、飲まず食わずになってしまう可能性があった。

足りないのが不安だったので、とりあえず駅弁を3つ買った。さらに乗車中、朝方に積み込まれた車内販売で、運良く駅弁を2つ買うことができた。

案の定、熊本に到着するまでに全部の駅弁は食べ切れなかったが、駅弁は携帯性に優れ、持ち運びしやすい。さらに冷たい状態でもおいしく、「冷めてもおいしいのが駅弁」と身をもって知る。それで鉄道と共に、駅弁も好きになった。

ちなみに寝台特急の車内販売で買った駅弁は「ふく寿司」(下関駅弁当)と「あなご飯」(徳山駅弁当)だった。あなごは瀬戸内海の名産だし、ふぐも言わずと知れた下関の名物だ。なるほど、駅弁はその土地の名産品を使っているものが多いのだな、とも気づいた。ちなみにこれらの駅弁業者は、今はもうない。

朝方に買った「ふく寿司」と「あなご飯」(2008年筆者撮影)

パッケージが気になる弁当を選ぶ

地方の名物を気軽に食べられるのが駅弁なのだ、と気づいてからは、すっかり駅弁にはまる。幸い、最寄りの西荻窪駅から列車1本で行ける東京駅には、数も種類も全国一の駅弁店舗「駅弁屋 祭 グランスタ東京」がある。そこで毎週、東京駅に通うようになった。

まだ食べたことがない駅弁がずらりと並んでいると、どれを選んでいいのかわからなくなる。そういう場合、目が合うもの、パッケージが気になるものを選ぶ。レコードやCDでいう「ジャケ買い」である。ここで駅弁は、「掛け紙」や「スリーブ」など、パッケージも重要なのだと気づいた。ここから掛け紙のコレクションにもはまった。

よく目が合うパッケージの「トンかつ弁当」(万葉軒)(筆者撮影)

そうやって頻繁に食べることで、私にとって「駅弁」というものがすっかり身近になった。旅先で食べるべきだ、と言う人もいるが、旅の際はもちろん食べているし、日常でも夕食や朝食に気軽に食べたいのだ。

誰にでも、よく行く定食屋などがあるだろう。私の場合、東京駅の駅弁屋が行きつけの店なのである。

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