でも、です。作品の幅が広がったからといって、動画配信サービスとしての競争力が大きく高まるほど、話は簡単ではありません。Netflixほどの話題性や、U-NEXTほどの豊富なラインナップを持たないLeminoに、今のところ新体制ならではの勢いは感じられません。
早期に有料会員500万人を超える目標を掲げていますが、国内発の動画配信サービスでトップを走るU-NEXTを追い抜く勝算は、はたしてあるのでしょうか。
日本で最初に「500万人を超えた」のはドコモだった
もともとLeminoは、ドコモが手がけてきた動画配信サービスです。ルーツは割と古く、2009年にエイベックスとの合弁で始めた携帯電話向けの「BeeTV」にさかのぼります。
11年にはドコモユーザー向けの定額制動画配信サービスを開始(14年にスマートフォンならキャリアフリーに)。その後「dビデオ」、「dTV」へと名称を変え、16年3月には国内の定額制動画配信サービスで初めて会員500万人を突破。市場の先頭を走っていました。
ただし、NetflixとAmazon Prime Videoが日本市場に参入すると、競争環境は大きく変わります。この10年で、まさかの海外勢が日本でも動画配信市場のトップを走るようになり、なかでもNetflixは動画配信という単独事業で会員数1000万世帯を超えるまでに成長。動画配信サービスそのものを一般化させるほどの新たな流れを作り出しました。
ドコモもその間、23年4月にdTVをLeminoへと刷新しましたが、かつての勢いを取り戻すには至っていません。9月24日に開かれた新生Leminoの記者説明会では、新会社「WOWOW Lemino」の副社長に就任し、dTV時代からドコモの映像サービスを担ってきた田中智則氏が、当時と比べて有料会員数が減少したことを認めています。
今回、自社で育ててきたLemino事業の経営主導権をWOWOWに委ねた背景にも、こうした事情があるのでしょう。


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