この秋、フィンランドで初心者向けの裁縫教室に通った。
きっかけは、趣味で続けているぬいぐるみ作りだ。
これまではずっと独学で、縫うのもすべて手縫い。せっかく長く続けているのだから、一度ちゃんと基本を習って、ミシンも使えるようになってみたいなと思ったのだ。
レッスン初日。
教室には年齢も仕事もさまざまな大人たちが20人ほど集まっていて、まずは一人ずつ、どうしてこのクラスに来たのかを話すことになった。
「毎日パソコンの前で働いているので、画面から離れて手を動かしたかったんです」
「定年退職して時間ができたので、ずっとやりたかったことを始めたいと思って」
「家に古いミシンがあるけれど、使い方がわからなくて……」
そんな話が次々に出てきた。
特に印象的だったのは、8割ほどの人が「パソコンから離れて手を動かしたい」と話していたこと。
それを聞きながら「……確かに私も、毎日パソコンの前にいる!」と、ハッとした。
自分では「ミシンを習いに来た」と思っていたけれど、みんなの話を聞いているうちに、なんだか自分がここに来た理由まで、ひとつ増えたような気がした。
大人になってから、学校へ行く
フィンランドに来てから、私にとって「大人になって学校へ行くこと」が、ずいぶん身近になった。
きっかけは、移住して1年が経とうとしていた頃のこと。
働いていたレストランが突然倒産して失業し、職業支援の窓口を訪れたとき、待合室で一冊のパンフレットを見つけた。


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