マイワシの用途は約8割(2024年・農林水産省データ)が養殖のエサ(魚粉など)に向けられます。2026年は、世界の魚粉の約2割を供給するペルーで、12センチ以下の小型が多いという理由で、カタクチイワシを漁期中に禁漁しました。このため、魚粉価格は1トン当たり3500ドル近くまで上昇しています。
さらに、2026年11月以降に予定されていたペルー北中部海域の第2漁期についても、推定資源量が約510万トンにとどまり、幼魚比率が尾数ベースで79%だったことなどから、実施しないことが決まりました。シラスを漁獲枠なしで獲っている日本とはまるで別次元の資源管理です。
養殖に占めるエサのコストは、2024年68%・2023年78%となっており、魚粉価格の暴騰は、養殖魚のコスト上昇につながり、養殖魚の価格に転嫁されて消費者価格を直撃します。
根こそぎ獲ってしまう日本の漁業
さらに、大西洋サバの漁獲枠半減も大きく影響しています。日本でも、魚粉向けのマイワシなどの原料は、幼魚であっても魚価が高騰しています。大西洋や南米ペルーでは、将来を考えて国が漁獲量を大きく削減する数量管理を行っています。また、日本でおなじみのカラフトシシャモ(ノルウェーシシャモ)も、獲ろうと思えば獲れますが、予防的アプローチで2025年から禁漁中でV字回復待ちです。
漁業を成長産業にしていく国々では、積極的に政府主導で数量管理を行ってV字回復を待つ。一方で、日本は対照的に、根こそぎ獲ってしまい、いなくなったら海水温上昇や外国漁船などに責任転嫁していく。この違いが、将来の水産物供給に与える影響はあまりにも大きいのです。そして、その結果は国際的な比較をすると「明確」に表れています。できない理由として改革を止めてしまう「日本一国と世界を比較しても仕方がない」という状態では全くないのです。


※ログイン後、コメント入力が可能です。