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台湾統一地方選挙で予想外の展開に…台北市長選で優勢だった国民党現職が失速し、民進党の挑戦者が急上昇のサプライズ

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台北でブームを巻き起こしている民進党の沈伯洋・市長候補
民進党内ですら「台北市は無理」と思われていた沈伯洋が新たな流れを作っている(Daniel Ceng/Anadolu via Getty Images)
  • 小笠原 欣幸 台湾・清華大学教授、東京外国語大学名誉教授
*2026年10月24日6:00まで無料の会員登録で全文をお読みいただけます。それ以降は有料会員限定となります。

INDEX

台湾で11月28日に行われる統一地方選の投票日までおよそ1カ月となった。台湾の全22県市の首長、議員らを一斉に選出する大型選挙で、この選挙結果は2028年1月に行われる台湾総統選挙に大きな影響を与える。

4年前の22年は、行政院(内閣)も立法院(国会)も掌握する民進党政権に対する反感が噴出、中間派有権者の中で政権を牽制するバランス投票が出現し、与党の歴史的な大敗を招いた。22県市の首長ポストのうち国民党が14ポストを取り圧勝、無所属その他が3、民進党はわずか5しか取れなかった。

当時の民進党は、党内各派閥の駆け引きで候補擁立が遅れたほか、地方選挙なのに「抗中保台」(中国に対抗し台湾を守る)をスローガンにして地域生活のイシューをないがしろにするような印象を与えるなど失策が多くあり、民進党に逆風が吹いた。だが、4年後の今回、風向きは変わり野党に逆風、与党に追い風が吹き、台湾の選挙情勢は大きく転換している。

行政と立法のねじれが2年以上続く台湾

ここまでの経緯を簡単に振り返っておく。24年1月の総統選挙では頼清徳氏が勝って民進党政権を継続させたが、柯文哲氏率いる新興の台湾民衆党に票を奪われ、同時に行われた立法委員(国会議員)の選挙では民進党が過半数を失った。

24年5月の頼政権発足以来、与党主導の行政院と野党主導の立法院とが激しく対立、立法院の審議では衝突が何度も発生した。この攻防に台湾世論は真っ二つに割れ分断が深まり、台湾政治は膠着状態に陥った。

この状態を無理やり変えようとして民進党陣営が国民党立法委員に対するリコール闘争を仕掛けたが、結果は与党側の完敗に終わり頼政権の支持率は急落した。これが25年7月の出来事である。

野党陣営で勝利感が広がる中、国民党の党主席選挙が行われ、中国アイデンティティを語る鄭麗文氏が新主席に就任した。これを見た与党支持者が危機感を強めて頼総統支持で結束し、政権支持率がある程度回復した。これが25年末の状況である。

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