INDEX
Netflixシリーズ『俺のこと、なんか言ってた?』が10月22日、190の国と地域で配信を始めた。主演は役所広司、脚本はクドカンこと宮藤官九郎。ロンドンで『リア王』を成功させた大物俳優・高瀬川玄が、パンデミックを経て帰国すると、世間からすっかり忘れられていた。エキストラからやり直す彼の再起を描く、全8話のヒューマンコメディーだ。
クドカン脚本なら面白いのは当たり前。だが、このドラマは役所のフルスロットルの芝居が、面白さを何倍にも高めている。どん底からはい上がるために、プライドをかなぐり捨てて何でもやる姿を多大なる熱量で演じているのが笑えて泣ける。一方、物語の感想を離れて感じたことがある。現実の日本の映像業界で、人はこんなふうにはい上がれるのだろうか。
企画・プロデュースの磯山晶氏と、Netflixの岡野真紀子エグゼクティブ・プロデューサーに話を聞いた。
「名前だけでキャスティングされる俳優」が名前を失ったら
企画の出発点は2021年だ。「名前だけでキャスティングされる大物俳優」が忘れられたら、どう自分を証明するのか。宮藤氏のそんな発想から始まっている。
高瀬川は昭和のスターの息子で、二世俳優の設定。宮藤氏はプレス資料の鼎談で、「高瀬川は2周目の俳優人生を自分の力だけで勝ち上がっていけるのがうれしいんです」と語っている。この物語の芯には、名前ではなく実力で役をつかむというテーマがある。
主演には、実力が誰の目にも明らかな俳優がいる。磯山氏は「役所さんに断られていたら、企画として成立していなかった」と言う。


※ログイン後、コメント入力が可能です。