高瀬川だけでなく、坂井真紀が演じるサウナの店長チヂミ、賀来賢人が演じる売れない劇作家の岡本など、確かに魅力的なキャラクターの数々が飽きさせない。
磯山氏はかつての地上波を「自転車操業」だったと振り返る。今は地上波も働き方改革で早撮りが増えたというが、こう言い切った。
「今までうまくいったのが奇跡に近かったんです。適正価格というものも蹂躙してやることが多かったから」
ただし、配信にも懸念はある。放送しながら反応や時代の空気を取り込めないことだ。磯山氏によれば、宮藤氏には「1年後にはもう誰も面白がらないネタかもしれない」という不安がある。
Netflixの日本作品には最近、「昭和ものでウケてる」「エグい場面が売りか?」という声もある。岡野氏は、今作にそうした要素を求めることは「全然なかった」と言う。
ヒューマンコメディーはこれまで挑戦できてこなかった分野だ。地上波でもできた作品かもしれないが、ロンドンのシェイクスピア・グローブ座での撮影やザ・スズナリでの実際の公演といった「本物」への投資こそがNetflixらしさだと説明した。確かに、グローブ座の舞台で実際に撮った場面は、高瀬川が大物俳優だった証しとして重要だ。
5000億円の目標と「同じ人たち」
日本のコンテンツを世界へ。それは今や国策だ。政府は日本発コンテンツの海外市場規模を33年に20兆円とする目標を掲げている。実写については、経済産業省の「エンタメ・クリエイティブ戦略2026」で33年に5000億円にするとされている。
そのために何が必要か。磯山氏の答えはシンプルだった。


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